Command Line Tool¶

量子回路ファイルの実行¶

まず、簡単な使用例を示します。以下のようなファイル(foo.qc)を用意し、

$ cat foo.qc
init 2
h 0
cx 0 1
m

以下のように実行すると、

$ qlazy -qc foo.qc
direction of measurement: z-axis
frq[00] = 49
frq[11] = 51
last state => 00

となります。foo.qcで何をやっているかと言うと、

1行目:量子ビットを2つ用意
2行目:0番目の量子ビットにアダマールゲートを作用
3行目:0番目と1番目の量子ビットに制御NOTゲートを作用
4行目:全量子ビットを測定

実行結果として表示されるのは、この場合、測定結果です。はじめの行「direction of measurement: z-axis」は、 Z軸方向の測定をしています、ということ表しています。デフォルトの測定の方向はZ軸方向です。他の大抵のシミュレータと違い、 qlazyでは任意方向の測定もオプション等で簡単に実行できるので、区別できるように測定方向を一応表示するようにしています。 frq[xx]は、測定の結果、|xx>だった回数を表しています。測定の回数は、何も指定しなければ、デフォルトで100回です。上の例では、 |00>だった回数は49回、|11>だった回数は51回だったということを表しています。内部で乱数を発生させることで確率的な測定をシミュレートしていますので、実行のたびにこの回数は変わります。last stateは、最後の測定の結果が何だったかを表しています。上の例では|00>でした。ということを意味しています。

また、制御NOTゲートの後に、

show

を挿入すると、この時点の量子状態を以下のように表示することができます。

c[00] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |++++++
c[01] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[10] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[11] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |++++++

2量子ビットで実行しているので、量子状態は|00>,|01>,|10>,|11>の重ね合わせです。各々に対応した係数（複素数）をc[00],c[01],c[10],c[11]と定義しており、それを表示しています。量子ビットのオーダーは左から右に向かって0 番目,1番目…と定義しています。複素数の右に表示されている実数値（0.5000とか0.0000）は各々の絶対値の２乗、すなわちその状態が観測される確率を表しています。一番右に表示されている「++++++」は、その確率の大きさを視覚的にわかりやすくするための、棒グラフです。

対話モードでの実行（量子電卓）¶

対話モードで実行することもできます。

$ qlazy

>> init 2
>> h 0
>> cx 0 1
>> show
c[00] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |++++++
c[01] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[10] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[11] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |++++++
>> m
direction of measurement: z-axis
frq[00] = 49
frq[11] = 51
last state => 00
>> quit

対話モード中で、helpすると、

>> help
[commands]
* initialize quantum state: %,init
* print quantum state:      -,show
* print bloch angles:       |,bloch
* echo input string:        @,echo
* output quantum gates:     >,output
* quit:                     .,quit
* help:                     ?,help
[quantum gates]
* 1-qubit gates:            x,y,z,xr,xr_dg,h,s,s_dg,t,t_dg,p,rx,ry,rz
* 2-qubit gates:            cx,cy,cz,cxr,cxr_dg,ch,cs,cs_dg,cp,crx,cry,crz,sw,rxx,ryy,rzz
* measurement:              m,mx,my,mz,mb
* reset:                    reset
[notes]
* see 'help <item>', for more information

のように、定義されているコマンドや使用可能な量子ゲートのリストを表示できます。各々の詳細は、helpの後に参照したいコマンドや量子ゲートの記号を入れると表示されます。

>> help x
== X gate ==
[description]
  X gate is 1-qubit gate called 'pauli X gate'.
  - matrix expression:
    | 0 1 |
    | 1 0 |
[usage]
  >> x <qubit_id>

以上